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 多忙な日々、過密化した教育課程の中で、「とりたてて行う平和学習」の実践が難しいとの声が寄せられています。そのような状況の中でも、何か平和について子どもたちに伝えられないか、と葛藤している教職員のみなさんのために絵本紹介コーナーを設けました。組合員のみなさんからも「おすすめの本」を募集しながら、随時更新していきます。

 「何か良い本はないかな」と思ったとき、図書室の蔵書購入を検討するときなどにご活用ください。

安里有生
長谷川義史
ブロンズ新社
2014年

 へいわってなにかな。ぼくは、かんがえたよ。ねこがわらう。おなかがいっぱい。

やぎがのんびりあるいてる。ちょうめいそうがたくさんはえ、よなぐにうまが、ヒヒーンとなく。みんなのこころから、へいわがうまれるんだね。これからも、ずっとへいわがつづくように、ぼくも、ぼくのできることからがんばるよ。

浜田桂子
童心社
2011年

 へいわってどんなこと? 「きっとね、へいわってこんなこと。せんそうをしない。ばくだんなんかおとさない。いえやまちをはかいしない……」いろいろな視点から平和を考え、平和の意味を問い返します。本シリーズは、日本の絵本作家が中国と韓国の絵本作家に呼びかけ、三か国12人の協力で実現した平和を訴える絵本です。三年以上の歳月をかけ、国を越えた意見交換を積み重ね、各国の歴史を踏まえて実現した画期的なとりくみ。

長谷川義史
教育画劇
2007年

ぼくがラーメンたべてるとき、地球の裏側でなにがおこってる?

 世界の子はなにしてる?遊んでる、働いてる、倒れてる…。
 長谷川義史が世界の子たちへ平和への願いをこめました。

ケネス クレーグル
津森 優子
瑞雲舎
2019年

 伝説の英雄アーサー王のひひひひひ孫のヘンリーは、誕生日の朝に怪物退治の冒険に出かけました。火をふく竜のドラゴン、一つ目の大男キュクロプス、鳥の怪物グリフィン、最も恐ろしい怪獣リバイアサンを探しては戦いを挑みますが、怪物たちはヘンリーを遊び相手にしかしてくれません。でも、ヘンリーは戦う代わりに素晴らしいものを手に入れました。

 戦うより友達になろうよ、と伝説の怪物たちがユーモラスに伝えます。2012年刊行以来、世界中の子ども達に愛されてきた絵本の日本初登場です。

デビッド マッキー
なかがわ ちひろ
光村教育図書
2005年

 「せかいじゅうの 人びとを しあわせにするため」に世界中を征服した、ある大きな国の大統領のおはなし。強者のゆがんだ論理を明るいユーモアで皮肉たっぷりに描いた寓話絵本。

たにかわ しゅんたろう
Noritake
ブロンズ新社
2019年

 「へいわのボク」と「せんそうのボク」では、なにが変わるのだろう。同じ人やもの、場所を見開きごとに比べると違いが見えてくる。いま、子どもにも大人にも伝えたいメッセージ。

あまんきみこ
上野紀子
あかね書房
1982年

 夏のはじめのある朝、小さな女の子のいのちが、空にきえました。
 悲惨な戦争の中に幼い命をとじた女の子の姿を、静かに描く。

アーサー・ビナード
岡倉禎志
童心社
2012年

 「おはよう」「がんばれ」「いただきます」「いってきます」「ただいま」「あそぼ」そのことばをかわすことができる、みんなの生活は、どこへいったのか?

 1945年8月6日の朝、ウランの核分裂が広島で引き起こしたことは、どこまで広がるのか?
 ピカドンを体験したカタリベたちは、さがしています─たいせつな人びとを、未来につづく道を。ヒロシマから今をみつめる写真絵本。

小板橋武
随想舎
2010年

 親と子のための絵本。少年とハトを通して、戦争の悲劇を訴える!!
 戦後65年が経ち、宇都宮大空襲を知らない人が増えた。日本とアメリカが戦争をしたことを知らない人もいる。一人でも多くの人にこの本を読んでいただき、宇都宮大空襲のことを忘れないようにと願っている。

指田和
鈴木六郎
ポプラ社
2019年

 あの日、ヒロシマに落とされた、たった一発の原子爆弾が、笑顔にあふれた6人家族、鈴木六郎さん一家を消し去った。

山口勇子
沼田曜一
四国五郎
金の星社
1979年

 1945年8月6日。広島の町角に立つわらいじぞうが見たものは、まるで太陽が落ちてきたとしかいいようのない光景だったのです…。作家と語り部と画家が悲しみと怒りをこめて描く入魂の絵本。

やなせたかし
小学館
2013年

 2013年10月13日に94歳で亡くなったマンガ家で、詩人で、『アンパンマン』の作者であるやなせたかしが自らの戦争体験を

綴った本。やなせは1915年の春に召集を受け、小倉の野戦銃砲部隊に入隊。召集期間満了直前の16年12月8日の開戦により、召集延期に。その後、中国戦線に派遣され、上海郊外で終戦をむかえた。やなせは自伝などの中で簡単に戦争のことを語っているが、戦争体験だけをまとめて話すのは、これが初めて。人殺しも、団体生活も嫌だったというやなせにとっての軍隊はばかばかしいだけの世界。しかし、辛い中にも何か楽しみを見出していく持ち前の性格で、戦争と軍隊を内部から風刺していく。特攻に志願した弟との別れなど、辛く悲しい思い出にも持ち前のユーモアを交えながら語る笑いと涙の戦記。嫌いな戦争のことはあまり語りたくないと考えていたやなせが、90歳を超え、戦争体験、軍隊体験を語り継ぐことで、過去の戦争のことが未来を生きる世代の記憶に少しでも残ればいい、と亡くなる直前まで語ったラストメッセージ。

トッド・パール
堀尾輝久
童心社
2007年

 「Peace is making new friend へいわって あたらしい ともだちを つくること……」。戦争をしているアメリカで、平和教育の教材として静かなブームになっている絵本を、英文でも日本文でも読めるように出版。

早乙女 勝元
田島 征三
理論社
1973年

 東京を焼け野原と化した大空襲。生きのこったのは…。

 戦争をにくみ,強く平和を願う作家と画家が生みだした迫力ある大型絵童話。

井上ひさし
武田美穂
講談社
2011年

 日本国憲法の大切さを訴えつづけた作家・井上ひさしが、憲法への思いを子どもたちにやさしく語る。実際に小学生を前にして話した内容を絵本として再構成したもの。

二見正直
福音館書店
2009年

 自慢の大砲をもっている王様。これを撃ちたかったのですが、戦争がなかったので撃つことができませんでした。ある時王様は、キツネが川で勝手にさかなをとっていると聞き、大砲をドカンと打ち上げキツネを追い払いました。王様は撃つことができて大満足。ところがキツネは王様の大砲より大きな大砲をもって戻ってきました。そこで王様はもっと大きな大砲を造らせて川へもっていきます。けれども、キツネがもっと大きな大砲をもってきて……大砲くらべは、どんどんエスカレートしていきます。
 読んであげるなら3歳から、自分で読むなら低学年から読むことができます。

くさばよしみ
中川学
汐文社
2014年

 2012年、ブラジルのリオデジャネイロで開かれた国際会議。南米のウルグアイのムヒカ大統領はのちに世界の人々から絶賛されるスピーチをのこします。この絵本はその全容を紹介するものです。(小学校中学年から)

つちやゆきお
たけべもといちろう
金の星社
1970年

 戦争中、上野動物園で三頭のゾウが殺されました。これは本当にあった悲しいお話をもとにした名作絵本です。

今西祐行
鈴木義治
ポプラ社
1975年

 おとうさんが戦争に行く日、見おくりのプラットホームで幼いゆみ子にさしだしたいちりんの花、それは・・・。

小出隆司
箕田源二郎
岩崎書店
1975年

 戦争中、動物園の動物たちが殺されるなかで、戦後までぞうがいた名古屋の東山動物園…。合唱組曲やアニメ映画で話題の原作絵本。

小川 洋子
深町 眞理子
KADOKAWA
1998年

 十代のはじめ『アンネの日記』に心ゆさぶられ、作家への道を志した小川洋子が、アンネの心の内側にふれ、極限におかれた

人間の葛藤、尊厳、信頼、愛の形を浮き彫りにした感動のノンフィクション。(272ページの文庫本です)

ひめゆり平和祈念資料館
三田圭介
フォレスト
2011年

 ひめゆり学徒がつくった絵本。
この絵本は、戦争のない世の中を願って作られました。
それを実現できるのは、だれでもない、あなたたちなのです。

かこさとし
講談社
2021年

 かこさとし未発表作品、ついに刊行!
倉庫に眠っていた、かこさとし未発表作品は、コロナでステイホームの期間中、
加古総合研究所の鈴木万里さん(かこさとし長女)が作品整理中に見つけたものです。
この作品の最初の原稿執筆が1953年、なんと構想から実に68年、
半世紀以上を経て初めて世に出るオリジナル作品です。

 テーマは、かこさんが終生、憎んでいた「戦争」です。
太平洋戦争のとき、高校生だったかこさんが体験した実話です。
戦争の悲惨さに怒り震えるかこさんが、いつまでも忘れないようにと
子どもたちに伝えようとした作品です。
平和を願うかこさんの強い思いが込められています。

 子どもたちの未来を考えるすべての皆さんに、天国のかこさんからの贈り物です!

オレクサンドル・シャトヒン
講談社
2023年

 ボローニャ国際ブックフェアで話題を集め、アメリカ版も各書評で激賞されている、ウクライナの絵本です。

 作者のオレクサンドル・シャトヒンは、ウクライナ在住のイラストレーター。彼の家はロシアとの国境近くにあり、現在も家族とともに避難生活を送っています。本書は、女の子の目を通した「戦争」を、言葉を使わずに描いています。
 ウクライナの国旗の色である青と黄色、さらには絶望と恐怖を表す黒、そして「命」の象徴である蝶によって、絶望の果てにも希望を見いだそうとする人間の姿を、どんな言葉にもまして胸を圧する力で表現しています。
 文字がないことによって、読者は絵からこの絵本の物語を自分で紡いでいきます。
 ウクライナで起きている悲劇の報に慣れてしまってきている私たちに、「戦争」を情報ではなく、自分の身にも起こりうるものとして感じさせる力をもっています。

中川 ひろたか
長谷川 義史
河出書房新社
2011年

 これは66年前、ほんとうにあったお話です。
 瀬戸内海はその日も おだやかな海でした。

 絵本作家・中川ひろたかが、
広島で亡くなった自分の伯父、被爆者となった自分の母の体験を伝え、
子どもたちへ問いかける。
 絵本界屈指の人気コンビが、初めて挑む「核と平和」。

鈴木 まもる
あすなろ書房
2022年

 1914年、第一次世界大戦が始まった。ドイツ、オーストリアなどの同盟国軍とイギリス、日本などの連合国軍との戦いだ。
 戦渦のクリスマスイブの夜、戦場に銃声の代わりに「クリスマスキャロル」の歌声が流れるという「奇跡」が起こる。
 戦争を始める人もいれば戦争をやめる人もいる。人に対する想像力と行動する勇気の大切さを描き、どうすれば戦争をしない人になるのか、その答えがこの絵本にある。
 作者が絵本の最後の絵を描いていた2022年2月25日、ロシアがウクライナに侵攻を始めるという、運命的な絵本となった。これからの未来をどう生きるべきか、戦争が現実に起こっている今だからこそ読みたい絵本。

米倉 斉加年
偕成社
1983年

 戦争中、10歳の少年は赤ん坊だった弟のミルクをぬすみ飲みし、弟は栄養失調で死んだ。子どもの目で戦争と飢えを淡々と描きます。

天野夏美
はまのゆか
主婦の友社
2006年

 ●家族で、そして学校で。子どもたちといっしょに読み、考えてください。4年生の男の子の目を通して平和と家族の尊さを描く1冊の本。……実話に基づくお話です。

 ●(本文より)ぼくは四年生。六年のいわたくんは、2つ年上じゃけど、なかよしの友だちなんよ。きょうは小学校の運動会。うちのお母さんが、いわたくんの家族を写真にとる。「おばあちゃんもどうぞご一緒に」。ところが車いすのおばあちゃんは「いやーよ」。にこにこしながらそう言ってことわる。ほーら、やっぱりね。いわたくんちのおばあちゃんは、ぜったいに家族といっしょに写真をとらん。ぼく、おばあちゃんがなんで家族といっしょに写真をとらんのか、しっとるんよ。それは……
 ●(あとがきより)2005年、被爆から60年目の夏にこの物語は生まれました。広島のある小学校で実際に行われた「平和学習」の時間。そこで語られた一枚の写真をもとにしたお話です。いわたくんのお母さんは、子どもたちに原爆の話を伝えるとき、こんなふうに結びます。「『戦争なんてずっとむかしの話』、なんて思わんでね。ひょっとしたら、『未来の話』になるかもしれんのよ。『未来』、それは、君たちみんながつくっていくものだからね」。ささやかな、でも切実な、平和の祈りが届きますように。

さねとうあきら
長谷川 知子
文溪堂
1995年

 戦争中「非常時」の動物園に、はらぺこだけど元気なライオンがいました。けったいなライオンの、愉快だけど悲しい物語。