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 道教委は9月7日、22年度から3年間の「公立高等学校配置計画」(以下、「配置計画」)と22年度および23年度以降の見通しを示した「公立特別支援学校配置計画」を公表した。

 「公立高等学校配置計画」では、6月の「計画案」通り留辺蘂を23年度で募集停止とし、「計画案」からの変更点として、①24年に学級減を予定していた岩見沢東については、今後の市の検討結果を勘案し、市内再編を含め変更することがある、②22年度に大樹・標茶を1学級増とする、③市立札幌旭丘に設置する新たな学科を数理データサイエンス科とする、④本別、標津は、新たに地域連携特例校を導入する、と変更した。また、21年度入学者選抜後に1学級相当以上の欠員が生じて学級減となった23校のうち、栗山など14校が1学級増となったものの、砂川、札幌南陵、札幌東豊、札幌あすかぜ、北広島西、森、江差、本別、標津の9校は1学級減のままとした。23年度の美幌の未来農業科への転換・学級減、名寄と名寄産業の再編統合・単位制導入などは計画案通りとした。

 「公立特別支援学校配置計画」では22年度について、全しょうがい児学校61校で、昨年度より定員が10人減の1,684人とし、「計画案」からの変更点として、22年度に1学級減としていた余市養護学校と北見支援学校、旭川養護学校の3校については学級数維持とした。また、「知的高等支援学校」の配置の見通しでは、23年度に道央圏で2学級相当、24年度は4学級相当の定員の確保を検討していたが、いずれも新設校を設けず、既設校の学級増で対応する見通しを盛り込んだ。

 これらは道教委が依然として、「これからの高校づくりに関する指針」(以下、「指針」)にもとづき、子ども・保護者の声を無視した学級減などを機械的にすすめるもので、断じて容認できない。とりわけ留辺蘂の募集停止は、生徒・学校・保護者・地域が連携し、存続に向けとりくんできたにもかかわらず、一方的に「進路動向に変化はみられない」と断じ、地元の声を踏みにじるものである。地方の小規模校を「数」のみをもって募集停止・学級減とすることは、子どもを都市部へ一層流出させ、地域の活力をそぐものである。また、岩見沢東高校の学級減にかかわっては、結果的に道教委が「計画案」によって岩見沢西高校、岩見沢緑陵高校にまで学級減・再編統合の対象を広げて数合わせを行わせようとするものであり、地域に大きな混乱を生じさせるものである。またこの間の、入学者選抜結果による学級減の結論を、「計画」において決定する方法は、進学を考えていた子どもや保護者を翻弄するものである。

 文科省・道教委「特別支援教育」は、中卒者数が減少傾向にもかかわらず特別支援学校への入学希望を年々増加させ、22年度も知的障害特別支援学校47校で5学級25人の定員増を計画するなど、分離・別学を一層すすめているものとなっている。道教委は、「分けることは差別につながる」とした「国連障害者権利条約」の理念にもとづき、希望する子どもたちの地元の普通高校への進学を保障するため、すべての学校において「合理的配慮」などの教育条件整備を早急にすすめるべきである。

 本「配置計画」は、地域の経済と文化の衰退を招くとともに、遠距離通学者や保護者の経済的負担の増加など、「貧困と格差」を拡大させるもので断じて容認できない。今後も中卒者数の減少が見込まれる中で、広大な北海道の地域性を何ら考慮せず、機械的に削減し続ける「指針」「配置計画」の撤回・再考を求めるとともに、希望するすべての子どもがしょうがいのある・なしにかかわらず地元で学べる「地域合同総合高校」の設置など、子ども一人ひとりの要求に応えるゆたかな後期中等教育を保障するため、道民運動を一層強化していくことを表明する。

 2021年9月8日

                                      北海道教職員組合