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 北教組第125回中央委員会に結集いただいた中央委員・役員の皆さんに感謝申し上げ、開催にあたって北教組本部を代表して、ご挨拶申し上げます。

 新型コロナウイルス感染症対策をはじめ、学校現場おいて、日々奮闘されている組合員・役員の皆さんに心より敬意を申し上げます。

 本日の中央委員会も、感染症の収束が道半ばであることから、対策を講じているとは言え、前回中央委員会同様、ご不便をおかけする形で開催せざるを得ないことに理解をいただいていることにお礼を申し上げなければなりません。

さて、感染症が終息しない中で、「自粛要請」が一人歩きし、「同調圧力」、さらには「自粛警察」といった偏見が幅を利かせる社会のあり方が問題になっていると感じています。

 北教組が実施した教育課程実態調査においても、3割近い学校で、新型コロナウイルスの影響により、保健室を利用する子どもが増えたとの報告があり、不安や、学校生活の大きな変化・制約によって子どもたちが大きくストレスを抱え、落ち着きがなくなったり、不安を訴えるようになっている状況が伺えます。

 過剰に同調を強いられることによるストレスは、ネットの世界のみならず学校においても、他者へのいじめや攻撃となって歪んだ形で発散されることが心配されます。

 現・菅政権の状況をみると、自らを正当化しようとする姿勢が顕著となり、その結果、差別や蔑視・排除を容認する状況が生まれており、安倍政権が掲げた憲法改悪を旗印にするだけではなく、科学的根拠がない「否定」や「すれ違い答弁」、国民の声に耳を傾けず黙らせ、「自助」として経済的な淘汰路線をあからさまに公言し、差別や格差を容認する姿がその本質であると考えます。

 同様のことが、教育・学校現場において起きているのではないでしょうか。我々の調査で授業の進度が12月末現在、58%の学校が休校による遅れを取り戻し、さらに、例年より進んでいる学校が14%にもなっているにもかかわらず、教育課程の進捗状況のみに固執し、子どもたちの負担や興味・関心、現状には目を向けず、授業時数確保に躍起となっている実態に差別や格差を容認する姿と重なるものがあります。

 さらに、「コロナ禍」において、教育をめぐる様々な問題が顕在化している中、家庭でのIT環境を考慮せずにオンライン授業の推奨や予算を拡充し、一層、教育格差を拡大させようとしていることは極めて問題です。

 このような中、1月に発行された「18の提言」は、社会秩序や経済発展など国・企業の都合に適う非科学的な教育制度・内容を優先する施策を批判し、学習指導要領体制を乗り越え、だれもが「排除」されない社会のあり方を再考し、「自分らしく」「よりよく生きる」ためを原点として、教育実践を通して民主的な教育に立ち返るため、編集・発行されたものとなっています。

 私たちは、提言を積極的に活用し、学習・実践・総括を通して、いみじくも同時期に出された、中教審答申「子どものあるべき姿」や「個別最適な学び」によって、子どもたちの将来が自己責任論に転嫁されないよう、「学校とは何か」について改めて問い直し、若い教職員とともに自主編成運動の重要性の理解を深め、超勤多忙化解消、「一年単位の変形労働時間制」については一方的導入を許さないとりくみにおいて未組織者に寄り添い、組織強化拡大をすすめていくことが重要です。

 各級段階の運動にも、依然として多くの制約が生じることとなっており、例年通りの運動の検証は不十分となっています。一方で、止めることのできない、動き続けなければならない運動も山積しています。

 今次、第125回中央委員会は、7月開催予定の第132回定期大会につながる極めて重要な位置づけになるものです。先程、申し上げた自主編成運動、超勤多忙化解消、当面、「一年単位の変形労働時間制」の一方的導入を許さないとりくみ、組織強化拡大なとどとともに、22年4月からの本部負担支部専従、中央執行委員の削減など直面する重要課題に対して、運動の焦点化・効率化を前提にこれまでの北教組運動を再構築するための分岐点をどう迎えるかが、本日の中央委員会の課題であり、中央委員・役員、本部執行部が議論を深め、一致団結することが極めて重要となります。

 最後に、本中央委員会が全道津々浦々の1,500余りの分会で奮闘している組合員の期待に応えるものにして、成功させることをお願いして、ご挨拶とさせていただきます。

 本日はよろしくお願いいたします。

 ともに頑張りましょう。

  2021年3月16日