地公三者・北教組は年末賃金闘争山場の11月10日~11日、道庁での総決起集会などの諸行動を背景に、副知事・道教委との最終交渉を行い、副知事から今年の給与改定等を人事委員会勧告通り実施することなどの回答が示されました(別記参照)。
道人事委員会勧告通り給与改定
地公三者・北教組は年末賃金闘争山場の11月10日から11日にかけて、道庁での総決起集会などを背景に副知事・教育長との最終交渉を行いました。交渉では副知事から、本年度の給与改定等を人事委員会勧告どおり実施すること、旅費制度で廃止するとしていた「移転雑費」を措置する等の最終回答が示されました。
旅費制度「移転雑費」を措置
旅費制度の「見直し」については、職員への移転雑費24,000円の「廃止」を撤回させ、従来どおり措置させるとともに、「家族移転料」についても「廃止」するとしたものを、移転雑費相当額として同居家族一人当たり8,000円支給することを示させました(詳細別記)。その上で、北海道の広域性から転居を伴ともなう異動が避けられないことから、給与上の措置なども検討するよう強く求めました。
休暇制度の拡充については、日数に限りがある子育て支援休暇や短期介護休暇、これらの日数不足を補う年次有給休暇も含め、15分など効率的取得が可能となるよう早急な検討を要求し、副知事は「休暇の取得単位について、引き続き研究したい」と回答しました。
なお、強く要求していた初任給基準の改善については「人材確保に努める」、月の途中に異動のあった職員への通勤手当措置は「国の動向を注視する」との回答にとどまり、再任用職員の処遇改善についても回答が示されませんでした。
余剰時数を「必要最小限に」
教育長との最終交渉では、教職員の超勤・多忙化解消について現場が実感をもてる超勤解消策の提示と周知徹底について考え方を質しました。教育長は、子どもたちのゆたかな学びの保障のために「教職員が健康でやりがいを持って働ける環境づくりのため、「授業時数の設定に当たっては、児童生徒の実態を踏まえ、小学校第1学年から第3学年においても、余剰時数を必要最小限とするなど、引き続き、指導助言する」とし、「今後も教職員一人ひとりが『変わってきた』と実感できるよう学校における働き方改革を着実にすすめる」と回答しました。
北教組は今後「業務量管理・健康確保措置実施計画」策定にあたり小学校1~3学年の余剰時数について必要最低限となる具体的な基準を盛り込むことと、実効ある超勤解消策を強く求め交渉を終了しました。
北教組は、10月6日に「給特条例」等の改正にかかわる要請書を提出し問題点を指摘するとともに、3回にわたり交渉を重ね、義務教育等教員特別手当を維持することや主務教諭制度を導入しないことなど、北海道の学校現場の実情に即した制度設計を求めてきました。
11月11日に行われた交渉で教育長は、義務教育等教員特別手当の引き下げと学級担任に対する加算措置、多学年学級担当手当の廃止について回答しましたが、義務教育等教員特別手当については(学級担任に対する加算の)支給対象範囲について「本道の状況や他都府県の対応状況を把握しながら検討し1月下旬までに決定」すること、多学年学級担任手当について1年間の経過措置を設けることなどが合わせて示されました。
今後も、「給特条例」等改正にかかわり、職場の分断や教職員の士気の低下を招かないよう、交渉を強化していきます。
年末賃金確定闘争の主な結果
<月例給>
若年層に重点を置き全職員に改定の効果が及ぶよう、国に準じて給料表を改定。初任給を大卒で12,000円程度引き上げる。
<ボーナス>
年間支給月数を4.60月分→4.65 月に
(引き上げ分は期末・勤勉手当に均等配分)
<通勤手当>
自家用車等使用者に対する通勤手当
- ① 現行の距離区分(60㎞)までの区分について手当額を引上げ(+200~7,100円)
- ② 1カ月当たり5000円を上限とする駐車場等の利用に対する通勤手当の新設 ※
- ③ 「100㎞以上」を上限とする新たな距離区分を新設(上限66,400円) ※
※月例給は2024年4月~12月の9カ月分、一時金は6月・12月分で諸手当を含まない
<地域手当>
札幌市の支給割合 3%→4% ※
<旅費制度>
〇「移転雑費」
- ・教職員への移転雑費は現行通り24,000円を支給する。
- ・扶養親族移転料は、家族移転料とし、移転雑費相当額として、同居家族一人当たり8,000円を支給する。
<教員給与関係>
(1) 義務教育教員等特別手当 ※※
- ・現行の手当を3分の1縮減する
- ・小・中・義務教育学校・高校・中等教育学校の学級担任に限り、特別支援学級を除く学級担任へ月3,000円加算
- ・複数担任制等の場合、同一学級担任の人数で均等割した額を加算
<教育長回答>
支給対象の範囲については、本道の状況や他都府県の対応状況等を把握しながら検討を進め、1月下旬までに決定したいと考えており、勤務条件については、引き続き話し合ってまいりたい
(2) 多学年学級担当手当 ※※
- ・本年12月31日をもって廃止する。
- ・現に手当を受給している者が、引き続き担任業務を続ける場合は、1年間の経過措置を設ける。
<教育長回答>
26年中の手当月額は25年中の水準を下回ることから、その差額見合い分である月額1,500円を、26年1月から12月までの期間に限り、支給する。
※ 印は2026年4月1日の実施
※※印は2026年1月1日の実施



