第137回臨時大会委員長あいさつ
2026年2月25日
北教組第137回臨時大会開催にあたって一言ご挨拶を申し上げます。
まず、年度末の大変お忙しい中、本臨時大会に結集いただいた代議員、役員、傍聴者の皆様に心より感謝申し上げます。また、来賓として日政連・北政連の前衆議院議員北海道1区道下大樹さんに参加いただいたことに御礼申し上げます。
さて、先日行われました、2月8日投開票の第51回衆議院選挙では、政策論争は盛り上がらず、高市人気を背景に、無党派層や若者が大きく自民党に流れる傾向が顕著でした。SNSを中心に党公式・非公式を問わず、高市首相を肯定的に捉えるショート動画が驚異的に再生回数を伸ばしたことが、最大の特徴と言えます。その結果、残念ながら自民党が絶対安定多数を大きく上回る3分の2を超える316議席を確保し、維新の会と合わせると衆院で352議席の巨大与党となりました。このことにより、今後、スパイ防止法制定や国家情報局創設、国旗棄損罪の制定、非核三原則の見直し、防衛装備移転三原則における5類型の撤廃に加え、憲法「改正」など「戦争する国づくり」の加速が強く懸念される状況となりました。今一度「教え子を再び戦場に送らない」の決意を強固なものにして、反戦・平和の運動にとりくむとともに、主権者への教育や平和教育のとりくみを強化していく必要性を強く感じました。
私は本年1月、北教組「沖縄平和交流団」に参加してきました。講師の元沖縄県教組委員長の山本さんから多くのことを学びましたが、その中でも、平和教育にとりくむ教職員のスタンスとして「考え続けることが重要である」との言葉が最も印象に残っています。平和教育を行う際には、結論を求めることを目的とするのではなく、自分事として受け止めて関心を持って考え、問い続けることこそがより重要であることを学びました。翻って、平和教育を受ける側の子どもたちにとっても、様々な事柄を知った上で、自ずと発生する様々な問いについて、自分事として考え続ける姿勢を身につけさせることに平和教育の重要な意義があることに気付きました。このことは、平和教育をよりとりくみやすいものにすると同時に、さらなる学びにつながるという意味で一層深みを持たせるものです。
先日、中高一貫の私立灘中学校の入学試験において、「パレスチナで起きていることをきっかけに書かれた詩」として2編の詩に関する問題が出題されたことが話題になりました。出題されたのは国語の読解問題で、パレスチナ自治区の何気ない日常の幸せを「おうち」という単語に投影して親が子に語り、ふるさとがとめどなく破壊される様子を描いた「おうちってなに?」と題した詩と、子どもが自分の足に消えない油性ペンで名前を書いて欲しいと母親に頼む「おなまえ かいて」という2つの詩の日本語訳について表現の意図や思いを問うものです。出題者側は「本校の入試科目には社会がなく、世界で起きている出来事に関心を持ってほしいので、例年国語で社会に関わる文章を出題している。社会的な問題についても興味関心をもってほしいという思いで出題した」としています。作家の高橋源一郎さんは、この入試問題を素晴らしいとした上で、「実は、もっと大切なことは、すでに、ここから教育が始まってるってことなんだ」と評しました。子どもたちに現実に起こっている事象を示し、それについて問いを発すること、あるいは自問させることで、平和教育は十分に成立しうるのです。平和教育は、その気になれば誰でもとりくむことができます。今こそ、我々は平和教育に全力を注ぐときです。組合員一人一人が、殻をやぶって平和教育にとりくみましょう。子どもたちに、真剣な問いを投げかけましょう。社会問題に関心を持ち、真摯に向き合う子どもたちを育てましょう。
以上のメッセージをもって挨拶にかえさせていただきます。ともに、頑張りましょう。



